2020 年 46 巻 1 号 p. 162-165
東日本大震災により,東北地方の沿岸域は甚大な被害を受けた。岩手県陸前高田市の高田松原地区では,復興事業として減災を目的としたコンクリート製の巨大な防潮堤が建設されたが,これにより景観が損なわれた。この景観を改善するために岩手県では防潮堤法面において海浜植物を用いた緑化が検討されることとなった。そこで緑化手法について考察することを目的に試験を行った。本試験は異なる土壌条件で海浜植物の播種および苗の植栽試験を行い,生育状況の調査を行った。その結果,盛土による防潮堤緑化には,基盤を砂のみとし,緑化対象種としてハマエンドウを主とし,ハマヒルガオも混ぜて種子を播種する方法が有効であると考えられた。