京都市の市街地に位置する国民公園である京都御苑は,周辺の山々や河川などと市街地の緑をつなぐネットワークの拠点の緑のひとつとして位置づけられている。京都御苑において出現する鳥類相を通年の調査(2017年6月から2018年5月)によって把握することで,市街地に位置する既存の大規模樹林地の生物多様性を示すデータを提供することを目的とした。その結果,9目24科45種7,642羽の鳥類が確認され,通年で継続して確認された種,春先から夏にかけて個体数が増加する種,秋から冬にかけて個体数が増加する種,季節ごとに出現傾向が変化する種(夏鳥・冬鳥・漂鳥)が存在することが明らかになった。