日本緑化工学会誌
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技術報告
里山型都市公園における管理強度と変形菌相の関係
大澤 啓志 笠原 健瑚
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2021 年 47 巻 1 号 p. 137-140

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抄録

都市域の里山型公園の樹林管理に反映させるため,神奈川県の2公園で樹林タイプや管理状況別の変形菌相について,量的評価が可能なコドラート法での調査を試みた。変形菌は計52種361個体が確認され,リター変形菌は種数で4%,個体数で2%に止まり,大半が死木変形菌であった。定常的な管理が行われる樹林では種数・個体数・多様度指数が低い値であり,これは管理圧の増加に伴う木質基質自体の少なさが反映したためと考えられた。粗放的管理の樹林では,朽木や倒木等の残存量の多さが変形菌の発生に正に寄与していた。落葉・常緑及び混交の広葉樹林の樹林タイプによる差は顕著ではなかったが,常緑樹林ではドロホコリ科の個体数割合が比較的高かった。

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© 2021 日本緑化工学会
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