本研究では,宇都宮大学船生演習林内のヒノキ新植地を対象に,ヒノキ裸苗の干害の発生状況および立地環境を調査し,干害の発生要因について検討した。加えて,苗タイプの違いによる干害耐性を検証した。調査地全体の枯死率は36.0%であり,1,012本の枯死木が確認された。干害が発生した2018年は,降水量が少なく平均気温が高い異常気象の年であり,7月の無降水期間が長く,気温が高かったことが干害の発生に起因していたと考えられる。また,尾根部または傾斜が30°を超える急傾斜地かつ腐植に乏しいA層が薄い土壌において高い枯死率が認められた。一方で,ヒノキコンテナ苗が干害に対して高い耐性を持つことが明らかとなった。