本研究では,ニホンツキノワグマによる樹皮剥ぎ後5年経過したスギ立木を対象に,樹高方向での腐朽状況を調査した。動的ヤング率の樹高方向の変動は,全ての個体で一定の傾向を示さなかった。全周剥皮被害木における含水率の樹高方向の変動値は,部分剥皮被害木及び未被害木と比べて低い値を示した。一方,容積密度の樹高方向の変動では,未被害木は被害木よりも低い値で推移した。また,被害木のアルカリ抽出物量は,地上高0.2 mの辺材で未被害木よりも高い値を示した。このように,剥皮後5年経過した被害木では,地上高0.2 mの辺材で腐朽が進行していた。