日本緑化工学会誌
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論文
ウルシ種子の休眠打破条件および発芽特性の解明
今井 駿輔 稲木 孝至小原 淳小串 重治衣笠 利彦
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2021 年 47 巻 1 号 p. 99-104

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抄録

ウルシは耕作放棄地を有効活用できる有用樹種と期待されているが,自然条件下で発芽率が極めて低く,実生苗の生産が難しいのが課題である。本研究ではウルシ種子の発芽率向上を目指して,休眠打破条件および発芽特性の解明を試みた。種子を0~60分間濃硫酸に浸漬後,0~100日間低温湿層処理を行い,異なる温度および光条件のもとで発芽試験を行った。発芽率は15分以上の硫酸処理かつ30日以上の低温湿層処理で大きく向上し,最大90%に達した。発芽に光要求性はなかったが,明瞭な温度依存性があり,最適発芽温度は約21 ℃であった。適切な発芽処理によってウルシ実生苗の生産性が向上する可能性が示された。

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© 2021 日本緑化工学会
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