日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
Print ISSN : 0916-7439
ISSN-L : 0916-7439
論文
The effect of water level fluctuation due to decreased precipitation on the non-submerged aquatic vegetation in Nong Bong Khai Non-hunting Area, Northern Thailand
Chitapa WONGSUPATHAIKohei TAKAGIYoshiyuki HIOKI
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 47 巻 4 号 p. 466-485

詳細
抄録

湿地の水文は,その植生に大きく影響し,ひいては人間や野生動植物の生息に影響する。降水量の変動によって生じる水位変動は,湿地生態系の多様性に影響を与え,湿地における植物種の絶滅や変化の大きな要因の1つである。本研究は,タイ・チェンライ県ノン・ボン・カイ禁猟区において,2つの高度(30 m・90 m)の無人航空機(UAV)からの画像に基づいて水域の植生に対する水位変動の影響を明らかにすることを目的とした。研究の結果,2019年~2020年の少雨の影響によって,2018年から2020年の間に,水深が1 mから0.2 mに低下していた。この低水位による陸域の拡大は,陸上植物種に好適な生息条件を提供することとなった。UAVによって高度30 mから撮影された正射投影画像から生成された植生分布図は,自生植物の減少と侵略的外来植物の増加,とくに低水位期間におけるミモザ・ピグラ(Mimosa pigra)の急速な拡大を示した。高度90 mからの画像により作成されたホテイアオイ(Eichhornia crassipes)の分布図は,低水位期間における同種の広い被覆を示した。しかし,ホテイアオイは2019年末に起きた雹害により,2020年3月には減少していた。ホテイアオイによる広範囲の被覆は,湖水の低酸素化をもたらしたことが示唆された。

著者関連情報
© 2022 日本緑化工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top