現在,地方の自然環境を活かしたワーケーションが推奨されているが,ワーケーション実施による勤務者の心理的効果に関する研究はまだまだ少ない。また,これまで日本には長期ワーケーションの習慣が無かったことから,ワーケーションを実際の企業で導入するには,短期間での導入など多様な形態の検討が必要である。そこで本研究は,短期ワーケーションが勤務者の心理に与える効果を明らかにすることを目的に,石川県の奥能登で実施した事例について検証を行った。対象は東京在勤の勤務者とし,ワーケーション前後でVAS(主観評価),POMS 2(感情状態)などの測定を行った。その結果,短期間のワーケーションは,「仕事への効果」よりも,勤務者の「気分転換」において有用であることなどが明らかとなった。