日本緑化工学会誌
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技術報告
ナラ枯れ被害木の伐採・搬出による近接木の被害遅延の可能性
松本 薫
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2022 年 48 巻 1 号 p. 125-128

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抄録

関東南部の丘陵地に位置するさいたま緑の森博物館では,2020年にナラ枯れ被害が確認され,2021年10月にはha あたり125本の被害があった。被害は全てコナラであり,胸高直径が大きいほど,また,周辺15 m のナラ枯れ量(ナラ枯れ被害のあるコナラの胸高断面積合計)が多いほど被害割合が高まる傾向となった。2021年1~3月に行われた単木処理の効果について,周辺15 m のナラ枯れ量を比べたところ,伐採・搬出処理の株は無処理のナラ枯れ発生木よりも少ない量になっていた。これらから,ナラ枯れ被害の集中分布する箇所で単木的な対策を行うことで被害割合を減らし,近接木の被害を遅延する効果が期待できる。

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© 2022 日本緑化工学会
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