2022 年 48 巻 1 号 p. 141-143
カーボンニュートラルの実現に向け,緑化への関心や期待は大きい。しかしながら,芝地をはじめとした草本性緑地のCO2固定能に関する知見は限られている。そこで本研究では,竣工後20年が経過した屋上緑化芝地を対象に,CO2固定能と土壌保水能および積載荷重の増加量について推定を行った。この結果,屋上緑化芝地は0.031~0.105 kg-C/m2・yearのCO2固定能を有し,土壌保水能および積載荷重も増加することが明らかとなった。本研究結果は,他の屋上緑化芝地における数値と近しい値を示したことから,草本性緑地のCO2固定能に関する一知見として,活用可能であると考えられた。