2022 年 48 巻 1 号 p. 214-217
本研究は,山口県虹ケ浜の海岸林を対象にして,ギャップに植栽されたクロマツの生長と光環境の関係について調べた。ギャップに植栽されたクロマツは,樹冠付近の相対光合成有効光量子束密度が60%以上の場所で,樹高や地際直径が大きく,形状比や枝下率が小さくなった。また,無人航空機の撮影画像をもとに,樹冠高モデルを算出して,各植栽木の10 mバッファ内のギャップ率を求めた。その結果,ギャップ率の増減に対応して,植栽されたクロマツの樹高や地際直径の値が明瞭に変化した。このことから,無人航空機を活用したギャップの判読により,効率的にクロマツの植栽適地を抽出できると考えられた。