飛砂の移動形態には地表近くを移動する「跳躍」と「匍行」および上空に舞い上がった「浮遊」がある。植物に対する飛砂害には,飛砂が継続して押し寄せて植生が埋没した状態と飛砂粒子が激しく枝葉に衝突して傷害を与えた状態がある。飛砂量の観測は,その場の移動形態を想定して捕捉器を選び,複数で配置した捕捉器の値から海岸林等における分布状態を把握する。その分布状態から対象地に達した飛砂総量が推定でき,対象地の飛砂防備機能を定量的に評価する指標になる。本稿で紹介した観測方法と機能評価方法については,今後も議論や情報交換を経て必要に応じ更新させていくべきものと考える。