日本緑化工学会誌
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採取地の違いがイワヒメワラビ(Hypolepis punctata (Thunb.) Mett. ex. Kuhn)の増殖特性に与える影響
古澤 優佳 中村 人史
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2022 年 48 巻 2 号 p. 386-390

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抄録

ニホンジカによる緑化斜面の食害や踏み荒らしが増加,広域化している中,シカの不嗜好性植物の緑化導入が注目されている。著者らは,シカ不嗜好性植物の1種であるイワヒメワラビによる緑化を目的とし,増殖方法,育成方法等を研究している。本研究では,イワヒメワラビに複数の系統が存在する可能性を探るため,異なる3林分から採取したイワヒメワラビ根茎を使用し,ポット苗増殖や定植後の生育特性に差はあるのかを調査した。芽数,ポット苗作成時の発芽率,育苗後の苗高,ポット苗定植後の地上部,地下部の生育状況について試験を行った結果,芽数について統計的な有意差が示され,イワヒメワラビにも系統が存在する可能性が示唆された。

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© 2022 日本緑化工学会
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