2023 年 48 巻 3 号 p. 516-526
室内緑化のストレス緩和効果を検証する方法として,被験者に試験を用いてストレス負荷をかけた後,対象空間のVR画像を提示する実験が普及しつつある。しかしこれまでの研究においては,このような検証方法が,ストレス負荷試験の違いにより,どのように影響を受けるかは検証されていない。そこで本研究では,ストレス負荷課題として内田クレペリン検査,VDT作業,情動喚起用刺激画像(OASIS)を採用した上で,緑化されたオフィス環境のVR画像を提示し,ストレス緩和効果を比較した。指標としてPANAS(the positive and negative affect schedule)(NA)と状態-特性不安尺度(STAI)A-Stateを使用した際は,ストレス負荷試験による差はなく,同様のストレス緩和効果が見受けられた。心理指標としてPANAS(PA)やnHFを使用した際は,OASISが有効である可能性が示唆された。今後はストレス反応に関して幅広い生理指標と心理指標を活用し,より一般化された被験者集団に対しても検証を行うことで,ストレス負荷試験の特性を更に深く理解する必要がある。