2023 年 49 巻 1 号 p. 149-152
樹木による大気中からの二酸化炭素の吸収および樹木体内への炭素固定は脱炭素社会を実現するための重要な要素である。しかし日本全国におけるその定量的な評価は概算を行うための手法に限られているのが現状である。また関東圏にある圃場での実測値に基づく二酸化炭素吸収量推定のためのアロメトリー式が存在するが,別の地域での算出には適していない。そこで本研究では,i-Tree Ecoの炭素固定量算出に用いられている地域ごとの樹木成長期間,樹勢,露光環境に基づく調整手法を適用することで,これら関東圏でのアロメトリー式を日本全国に適用可能とした。