日本緑化工学会誌
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論文
宮島の地域性に配慮した緑化斜面における緑化2年後までの成立植生
小宅 由似ファン=クイン=チ小山 克輝河野 遼人紙本 由佳理中原-坪田 美保坪田 博美
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2023 年 49 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

自然公園区域内での開発に伴う法面緑化の知見蓄積のため,宮島の最終処分場法面における地域性種苗による緑化後2年までの成立植生を明らかにした。1年半経過時にニホンジカによる食害が確認された。1年8ヶ月経過時点で高さ1.41~1.95 mの草本群落が成立していた。斜面上部より下部の出現種数と植被率が高い傾向にあり,種多様性や遷移度の増加もみられた。ヨモギが優占するコドラートでは目標植生構成種のアラカシが被圧されていた一方,外来寄生生物アメリカネナシカズラが多いコドラートでは種多様性や遷移度の増加傾向がみられた。優占する大型草本の高さの抑制に起因すると考えられ,刈取りなどの管理が必要と示唆された。

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© 2023 日本緑化工学会
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