スギ・ヒノキ人工林において間伐が水平根補強強度に及ぼす影響を明らかにするために,三重県内の間伐後6~11年経過したスギ林,同6~8年経過したヒノキ林各5カ所の間伐実施林分において間伐区と間伐を行わなかった無間伐区の水平根補強強度を比較した。水平根補強強度は立木間中央における水平根分布データにRBMwを適用して推定した。いずれの樹種でも,間伐区では,無間伐区よりも立木間距離が大きいにも関わらず補強強度は同程度であり,間伐直後に一時的に低下した補強強度が回復傾向にあると考えられた。補強強度は立木間距離が大きいほど小さく,ヒノキ林では同じ立木間距離で間伐区が無間伐区よりも大きい傾向がみられた。