クヌギ林は,化石燃料や化学肥料の普及に伴い利用頻度が低下してきた。一方で,クヌギ林には,生物多様性を保全したり,環境教育やレクリエーションの場を提供したりする現代的な役割も認められることから,地域の状況に応じて再生していくことが求められる。そこで,本研究では,朽木調査地において,苗齢2年の実生苗を植栽後,3年目の第3生育期までの間,防護柵を設置し,下刈りを実施した区域を調査対象とした。同区域では,第4生育期から第7生育期までの間,それらの条件を操作し,4パターンの操作実験区を設定されている。本研究では,それらの操作実験区において,第8生育期から第10生育期にかけて,条件の違いが植栽木の成長に及ぼす影響を検討した。第4生育期以降も防護柵の設置を継続した操作実験区では,下刈りの有無に関わらず,第8生育期以降も樹高および地際径の成長量が増加した。また,防護柵を撤去した操作実験区では,下刈り実施の有無に関わらず,樹高の成長量が一時的に抑制されたが,第7生育期以降,増加に転じた。当調査地の周辺では,防護柵を用いた面的な防除を行う場合,第4生育期以降,防護柵の維持管理や下刈りの実施などのコストを省力化することが可能である。