日本緑化工学会誌
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総説
令和6年能登半島地震により崩壊したグリーンインフラの現状と再生にむけた課題と提案
森本 淳子橘 隆一田中 淳小川 泰浩熊田 勇斗小野 幸菜岡島 徹小澤 信彦佐藤 貴紀中村 剛芳賀 智宏堀田 亘本郷 悠夏柳井 清治吉原 敬嗣
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2024 年 50 巻 2 号 p. 171-193

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抄録
2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」は電気・水道・道路などの社会インフラのみならず,森林・道路のり面などのグリーンインフラ(GI)にも甚大な被害を与えた。GIの中長期的な再生が,当地域の復興にとって重要な課題である。そこで本稿では,1) 主に山腹崩壊地におけるGIの被害状況の把握,2) 復興を下支えするGIを再生するにあたり有益な緑化工学分野の既往技術や研究の整理,これらを踏まえた,3) 石川県創造的復興プランに即したGI再生における配慮事項,を取りまとめた。特に3点目については,[取組2: 能登サテライトキャンパス構想]と[取組11: 能登半島国定公園のリ・デザイン] に対して,アテ林および再生アテ林の国定公園拡張域編入,生物多様性に配慮した緑化,[取組4: 新たな視点に立ったインフラ強靭化] に対して,崩壊した斜面・道路のり面における自然力を最大限に活かした緑化,木質廃棄物の有効利用,奥地の崩壊地における点群緑化,国定公園内での撹乱レガシー活用,[取組10: 震災遺構の地域資源化]に対して,奥能登地域における里山・里海ジオパークの整備,などのアイデアが提案された。
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© 2024 日本緑化工学会
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