持続可能な食料生産を促進する上でバイオ炭を用いた土壌改良が注目されているが,バイオ炭の含有量や粒径が土壌水分特性と作物の収量に与える影響を調査した事例は乏しい。そこで本研究では,竹炭の粒径(小:<0.25 mm,大:0.25~2.00 mm,混合:大と小を等重量で混合)と含有量(乾重量にして0,2.5,5.0,7.5 kg m-2)の異なる土壌を用い,室内で水分特性を計測するとともに,屋外に設置したポットでリーフレタス(Lactuca sativa var. crispa)を育成した。その結果,含有量5.0 kg m-2の粒径小群の収量(乾重量にして166.0 g m-2)と容易有効水分量(17.0%)が最大であった。一方で,含有量に対する収量の変化から考えると,含有量2.5 kg m-2で収量が最大になったことから,収量を増加させるための一般的な竹炭の推奨含有量は2.5 kg m-2(土壌の深さを20cmとして換算)であると考えられる。また圃場容水量や有効水分量を増加には,粒径大小の混合や粒径小の影響が確認されたため,混合比率や粒径をさらに絞り込んだ検証が望まれる。