2025 年 51 巻 1 号 p. 103-108
湖沼に生息するトンボ目の幼虫は,採餌,隠れ場,羽化の場所として水草を利用することが知られているが,トンボ各種の個体数に影響を与える特定の水草種が存在するかは不明である。本研究では,水草を被覆率や生育型だけでなく種ごとに注目して,札幌近郊地域の10箇所の湖沼を対象に,26種のトンボ幼虫の個体数に影響を与える局所環境(水草・水質)および周辺環境(森林・農地面積率など)を調査し,GLMMを用いて解析した。結果,モデリングした8種中6種において,特定の水草種の被覆率と特定のトンボ幼虫個体数に有意な相関関係があると示唆された。また,リン酸態リンとイトトンボ亜目幼虫の個体数に負の相関があることが判明した。