2026 年 52 巻 1 号 p. 75-78
タマノカンアオイは常緑多年草であり,個体数の減少要因に二次林の管理放棄が挙げられる。本研究では林床の管理状況とタマノカンアオイの実生の定着に着目し,通年遮光する遮光区,5~11月まで遮光する半遮光区,遮光しない無遮光区を設定し,2024年5月~2025年4月まで地上部生存数と葉数を調査した。葉数は遮光区および半遮光区では8~12月に減少し,遮光区では2月以降増加した。無遮光区では7月に減少した。地上部生存数は遮光区で13個体,半遮光区で2個体,無遮光区で0個体となった。2年目に追加調査した強遮光区でも地上部生存数は半減したことから,実生の定着には適度な光環境を維持する必要があることが判明した。