1999 年 25 巻 4 号 p. 421-426
千葉県小櫃川・小糸川流域の民家において, ミツバツツジ類植栽木の生育状況と自然発生実生の調査を行った。ミツバツツジ類はヤマツツジより樹勢が悪かった。数量化理論1類の解析結果より, キヨスミミツバツツジは排水良好で低温多湿の壌土のところ, ミツバツツジは排水良好の埴壌土で西日を遮るものがあるところ, ヤマツツジは根系が制限されない立地で, 低温多湿の酸性土壌が生育に適した環境であるということがわかった。また, 実生はターフ型のコケ上に多く分布しており, ミツバツツジ類は半日陰の壌土か埴壌土のところ, ヤマツツジは日陰で壌土のところで発芽・更新するということがわかった。