中国内蒙古自治区内の毛烏素沙地において, 砂丘斜面に植栽された沙柳の生育状況と葉の組織構造を調査した。沙柳は乾燥した砂丘頂上部から湿潤な砂丘低部にかけて相反するストレス環境で生育していた。沙柳の成長は頂上部や低部と比べて中腹部の個体が良好であった。葉の厚さは, 成長の最も良好な中腹部の個体で薄くなった。葉のサイズは, 頂上部の葉は小型であるが, 低部ほど大型となる傾向が認められた。表面気孔密度は, 頂上部よりも低部の個体ほど大きくなった。裏面気孔密度は, 頂上部が中腹部や低部の個体と比べて大きかった, 中腹部の個体は表面気孔密度の比率が大きく, 頂上部や低部では小さかった。