日本統計学会誌
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前臨床試験の統計学的側面
吉村 功
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1993 年 22 巻 3 号 p. 465-473

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抄録
本稿は,動物や細胞を使って毒性や薬効を調べる試験について,現在焦点となっている統計学的な課題のサーベイを試みている.統計学の方法論的な分け方からは,多重性への処理,パーセント影響量の推定,経時データの解析,背景対照の利用を取り上げ,毒性試験の分け方からは,発癌性,変異原性,生殖毒性,行動毒性を取り上げている.新たに特別な理論や手法を用意しなくても,毒性学の学者・研究者と統計家の間で充分な知識の交換と共同作業が行われれば,生じている多くの問題は解決すると予想している.
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