抄録
この論説は,国内国外での研究生活で筆者が体験したことの中から,わが国の統計事情のもとで,今日でも参考になることを期待して話題を選び,平易な形にまとめたものである.
筆者の1986年の論文[10]において,わが国において統計教育研究体制の早急な整備が必要であることを論じた.そこには筆者のいくつかの体験談が含まれており,ここでは重複を避けて話題選択を行ったが,論文[10]をこの論説と合わせて読み返していただければ,筆者の意図していることがよりはっきりすると思う.
話題として取り上げている体験自体は古い時代のものであるが,現在でも,今日的な意味に修正されて鮮明に残っており有益な参考となり得るであろうと希っているのである.