2024 年 41 巻 2 号 p. 1-3
掌側ロッキングプレート固定が施行された橈骨遠位端骨折患者の術後1 週から12 週までのPRWE に影響を与える要因を検討した.対象は女性20 例20 手,全例右利きであり,年齢は61.6±7.9 歳であった.評価指標は疼痛(安静時痛・運動時痛)にNRS,疼痛の破局的思考にPCS,不安・抑うつにHADS,身体機能としてROM と握力の健側比を用いた.Spearman 順位相関係数の検定を実施した結果,運動時痛(術後1 週から12 週まで),PCS(術後2 週から12 週まで),HADS 不安(術後12 週)に正の相関,手関節背屈(術後1 週から4 週まで),掌屈(術後2 週から4 週まで),前腕回外(術後12 週)に負の相関を認めた.本研究結果より,後療法では術後早期から継続した疼痛マネジメントを実践し,疼痛の破局化を予防すること,また,各時期におけるROM 健側比向上のためのセラピィがPRWE の改善に必要と考えられた.