2024 年 41 巻 3 号 p. 280-282
Dupuytren 拘縮術後に関節伸展角度を維持する目的で伸展スプリントが使用されるが,施設によって形状・装着期間は様々である.当院では,掌側からスプリント材を当てて最大関節伸展位を保持できるよう作製した掌側型を主に使用してきたが,最近では掌側型に背側から関節を圧迫するスプリント材を追加した挟み込み型を使用している.今回,術前に小指PIP 関節伸展不足角度(Extesion Deficit,以下ED)≧30°を呈したDupuytren 拘縮術後30 指に対し,掌側型もしくは挟み込み型の夜間スプリントの装着を行い,術後4 週間経過時の両者のED の変化,改善度(術前ED-4週間目ED/術前ED)を比較した.両装具間での術後ED の変化,改善度に有意な差はなかった.手術後の伸展スプリントは型に関係なく,他動的最大PIP 関節伸展位を保持できれば,効果が期待できると考えた.