2025 年 41 巻 4 号 p. 374-377
JSSH version of CTS instrument(CTSI-JSSH)は,疼痛や夜間痛,しびれに関する質問項目を多く含む症状の重症度スコア(CTSI-SS)と機能的状態のスケール(CTSI-FS)に分かれる.2018 年~2022 年に手根管症候群(CTS)に直視下手根管開放術(Open carpal tunnel release:OCTR)を施行した39 例43 手のCTSI-JSSH 術後経過を評価した.CTSI-SS 値は術前が2.55,術後1 週が1.72,術後6 か月が1.36,術後1 年が1.27(中央値)で,術後6 か月まで有意な改善を認めた.CTSI-FS 値は術前が2.0,術後1 週が2.38,術後6 か月が1.38,術後1 年が1.25(中央値)と術後1 週で悪化し,その後は術後6 か月まで有意な改善を認めた.CTS 患者の疼痛や夜間痛,しびれは術後速やかに改善し,術後6 か月から1 年にかけて症状の改善はプラトーに達し,機能面では術後一時的に低下するが,6 か月まで有意な改善を認めた.