2025 年 41 巻 4 号 p. 406-409
2013 年以降に当院にて治療した上腕骨内側上顆骨端離解35 例中,受傷機転が投球の3 例を調査した.全例男性(13 歳1 例,14 歳2 例)で,中学校野球部もしくは野球クラブチームに所属していた.全例受傷以前から投球時の肘関節内側部痛があり,画像上,内側上顆骨端核および骨幹端部の骨硬化と,骨端線幅の拡大を認めた.2 例では骨接合時に骨折部を掻爬し,術後3 か月までに骨癒合を得たが,骨折部を掻爬しなかった1 例では骨癒合に7 か月を要した.最終診察時,全例で疼痛は消失し,2 例では野球に完全復帰した.投球による上腕骨内側上顆骨端離解の病態は新鮮骨折ではなく,内側型野球肘に生じたacute on chronic 損傷であり,原因は不良な投球フォームである.術後,理学療法士による投球フォームの修正を受けたのは3 例中1 例のみで,主治医の病態に対する理解が不十分であった.