日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
総説
手の骨関節軟部感染症
善家 雄吉
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ジャーナル 認証あり

2025 年 41 巻 5 号 p. 450-460

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抄録

本総説では,手部における感染症の発生から診断,治療までを包括的に解説している.手指は常に暴露されているため外傷を受けやすく,感染症も頻発し,その病態は多岐にわたる.歴史的背景として,古代から中世には切開・排膿による治療が主流であったが,細菌学や抗菌薬療法,外科的手法の発展により治療法が劇的に進化した.現代では,画像診断技術や新しいドラッグデリバリーシステムである持続局所抗菌薬灌流療法(CLAP)が開発され,普及してきている.感染症の診断には臨床症状と画像診断を組み合わせること,また起炎菌の特定には細菌培養検査が不可欠である.さらに,手部感染症には多様な病態(爪周囲炎,化膿性屈筋腱腱鞘炎,動物咬傷による感染症,非結核性抗酸菌感染症,壊死性軟部組織感染症など)があり,それぞれの診断と治療に対するアプローチが異なる.迅速な対応と適切な治療が予後を大きく左右するため,深い理解が求められる.各論では代表症例を供覧し解説する.

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