2025 年 41 巻 5 号 p. 461-465
EEC 症候群(Ectrodactyly-Ectodermal Dysplasia-Clefting syndrome)6 例の裂手治療について検討した.全例両側性の裂手であり,中央列の形成不全のほかに,横走骨や合指,屈指などを認め,cleft を認めない症例が約半数であった.非症候群例と比較すると,Manske 分類の分布は類似していたが,骨性合指や屈指は母指・示指に多く,傾向が異なった.手術は5 例9 手に対して行なわれ,主な手術内容は指間形成術,皮膚形成術,骨切り術,裂手閉鎖術などであった.非典型的な形態の裂手に対しては,骨切り術や指列切除術なども組み合わせて治療したが,複数回の手術が必要となった症例もあった.本研究におけるEEC 症候群では,示指列に合指や屈指などの変形が多い傾向が見られた.示指列の適切な処理が治療成功へつながる鍵であり,様々な工夫を凝らす必要がある.