2025 年 41 巻 5 号 p. 475-478
神経性胸郭出口症候群に対する手術アプローチは施設によって異なる.著者らは鎖骨上アプローチを用いて,病態に応じて第一肋骨切除術と斜角筋部の神経剥離術を施行している.第一肋骨切除は,症状ならびに腕神経叢造影後3DCT にて肋鎖間隙の狭小化の有無を評価し施行している.神経剥離は,術前の画像所見での評価ならびに術中に神経を直視下に確認し必要があれば施行している.鎖骨上アプローチは斜角筋部での神経の状態を直接確認でき,同じ術野にて第一肋骨切除と神経剥離が可能なことが利点と考え,22 例に対して手術を施行し,DASH,Hand20,握力,Visual Analogue Scale の全ての項目で術後有意に改善した.術中に斜角筋部での腕神経叢の癒着を15 例に認め,神経剥離術を施行した.術前の画像所見にて斜角筋部での癒着を捉えきれない症例もあり,鎖骨上アプローチにて神経を直視下に観察し,必要に応じて神経剥離を追加することで良好な術後成績が得られる可能性が示唆された.