2025 年 41 巻 5 号 p. 508-512
著者らは母指CM 関節症に対して,suture button suspensionplasty(SBS)に加え,橈側手根屈筋腱(FCR)半裁腱による靭帯再建を併用している(dual suspensionplasty).対象は8 例8 指(全例女性)で,平均経過観察期間は18.6 か月であった.術直後および最終経過観察時のtrapezial space ratio(TSR),母指MP 関節伸展角度,Kapandji スコア,visual analogue scale(VAS),QuickDASH を評価した.また,SBS のみを施行した8 例の術後18 か月経過時のTSR との比較を行った.TSR は0.38 から0.34 となり有意差は認められなかった.MP 関節伸展角度は28.5 度から8.4 度となり,最終経過観察時のKapandji スコアは全例10,VAS は全例0,QuickDASH は平均9.4 であった.SBS 群ではTSR が0.38 から0.27 へと有意に低下しており,dual suspensionplasty 群ではSBS 群に比して有意にTSR が保たれていた.母指CM 関節症に対して本法は有用と思われる.