2025 年 41 巻 5 号 p. 513-516
上腕骨外顆・小頭関節面および外側側副靱帯の欠損に対し,豆状骨および尺側手根屈筋(FCU)を用いたBone tendon graft による再建を行い,良好な結果が得られたので報告する.症例は24 歳男性で,高速道路を自動車で走行中にスリップして車が横転し,前腕近位外側に挫滅・皮膚欠損,外側側副靭帯の部分欠損,橈骨頭・上腕骨外顆および小頭の部分欠損を認めた.上腕骨外顆関節面とそこに付着する外側側副靭帯(RCL)・外側尺側側副靭帯(LUCL)の再建が必要であり,同側豆状骨およびFCU の半裁腱をBone tendon graft で再建した.豆状骨は13mm,FCU は12cm 採取可能であり,豆状骨をcannulated cancellous screw(CCS)で上腕骨外顆に固定し,輪状靭帯(AL)にslit を加え,AL 内にFCU を通し,LUCL およびRCL を再建した.最終可動域は肘屈曲145°,伸展−5°であった.豆状骨は関節面を有する種子骨であり,切除による弊害は少なく,FCU は長さの調整がしやすい腱である.本法は上腕骨外顆・小頭関節面および外側側副靱帯の欠損に対し,関節面の再建と靭帯の再建を同時に可能とする有用な手術方法である.