日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
固有指神経損傷に対する指動脈穿通枝脂肪弁を併用した人工神経再生誘導術の治療成績
園木 謙太郎宇佐美 聡武光 真志河原 三四郎稲見 浩平
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2025 年 41 巻 5 号 p. 530-533

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抄録

末梢神経損傷に対して人工神経再生導管による再建を行う際,良好な神経再生には周囲の血流が重要とされ,有茎穿通枝脂肪弁による被覆が有効であるとの報告もあるが,まとまった報告は少ない.当院で人工神経を用いた知覚再建を行った片側固有指神経損傷症例の術後成績を,人工神経単独群(以下,単独群)と脂肪弁併用群(以下,併用群)に分けて比較検討した.単独群は16 例16 指,併用群は9 症例9 指であった.術後知覚検査,静的・動的2 点識別覚,異常知覚の有無に有意差は認めず,術後Visual Analog Scale は単独群1.8 に対し,併用群16.1 と併用群が有意に不良であった(P=0.017).固有指神経はもともと指部において肥沃な脂肪組織が周囲に存在し,指動脈と並走する.このため神経再生床としての環境に元々恵まれており,穿通枝脂肪弁による効果が現れにくかった可能性がある.術前から神経性疼痛が強い症例や,すでに神経腫形成などがある症例,骨や腱の露出があり周囲環境が悪い症例において適応し,成績を検討する必要がある.

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