2025 年 41 巻 5 号 p. 525-529
創外固定器を用いた関節授動術は,比較的低侵襲で簡便な方法である.手指関節拘縮に対して,Ilizarov mini fixator を使用して緩徐延長関節授動術を施行した5 例6 指(屈曲拘縮3 指,伸展拘縮3 指,平均年齢55.8 歳)の治療成績を報告する.罹患関節のarc は,PIP 関節屈曲拘縮3 例で術前17.5 度が最終観察時20 度,PIP 関節伸展拘縮1 例で術前20 度が最終観察時50 度,母指MP 関節伸展拘縮2 例で術前20 度が最終観察時52.5 度となった.罹患関節arc の変化量は,PIP 関節屈曲拘縮例で平均3.3 度,PIP 関節伸展拘縮症例が30 度,母指MP 関節伸展拘縮例が平均32.5 度であった.TAM の変化量は,母指以外が平均14 度,母指が2 例とも30 度であった.lizarov 創外固定器による関節授動術は,伸展拘縮に対して良好な成績を得たが,屈曲拘縮に対する自動伸展機能の再獲得は得られなかった.伸筋腱の癒着や弛緩などが原因と考えられ,他動関節可動域拡大後に二期的手術を検討する必要がある.