2025 年 41 巻 6 号 p. 648-650
Centro-central union(CCU)は,断端形成部近位で切断された指神経同士を縫合する方法である.著者らは指断端形成の際,有痛性断端神経腫の予防のための神経処置としてCCU を行っており,その治療効果を検討した.2020 年以降に当科で指断端形成の際にCCU を追加し,1 年以上経過観察可能であった7 例を対象とした.最終観察時の安静時疼痛NRS(Numerical Rating Scale),Tapping pain(軽い触覚刺激による疼痛)NRS,触覚鈍麻の有無,static two-point discrimination(S2PD)を計測した.結果は,安静時疼痛NRS は全例0,Tapping pain NRS は平均1.85,触覚鈍麻ありは71%(5/7人),S2PD は平均6.3 であった.CCU は有痛性断端神経腫を予防する簡便な手段であると考えるが,まだ症例数が少なく,今後さらなる検討が必要である.