日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
肘部管症候群おける皮下前方移動術と筋層内前方移動術の比較検討
大竹 悠哉助川 浩士小沼 賢治井上 玄髙相 晶士
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 41 巻 6 号 p. 656-660

詳細
抄録

2019 年10 月~2023 年7 月に当院で肘部管症候群に対して尺骨神経皮下前方移動術あるいは尺骨神経筋層内移動術を施行し,術後3 か月以上経過観察可能であった33 例34 肘を後ろ向きに調査した.皮下前方移動術を施行した群(皮下群)は17 例18 肘,筋層内移動術を施行した群(筋層内群)は16 例16 肘であった.皮下群は平均年齢63 歳,男性5 肘,女性13 肘,筋層内群は平均年齢66 歳,全例男性であった.調査項目は赤堀病期分類,手術時間,術前の握力健側比,最終観察時の握力健側比,赤堀予後評価,術後合併症とした.調査の結果,筋層内群で有意に手術時間が長かったが,その他の検討項目に統計学的有意差はなかった.皮下群2 肘で肘部の愁訴を有する合併症の出現により追加手術を必要としたが,合併症出現率に有意差はなかった.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top