日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
皮弁による再建を考慮した指尖部損傷の新分類
中尾 哲子鍜治 大祐河村 健二村田 景一矢島 弘嗣田中 康仁
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 41 巻 6 号 p. 672-676

詳細
抄録

今回,著者らは皮弁再建を考慮した指尖部損傷の分類を作成した.玉井分類のZone 1 の指尖部損傷を対象とし,切断面の損傷type をType 1(横切断),2(側方斜め切断),3(背側斜め切断),4(掌側斜め切断)の4 つに分類し,損傷深度をGrade A(骨欠損なし),C(爪母に損傷や欠損あり),B(A とC の中間)の3 つに細分化した.当院で2016 年4 月~2023 年6 月に行われた32 例34 指を分類し,問題点等を後ろ向きに検討した.Type 1 は18 指,Type 2 は7 指,Type 3 は4 指,Type 4 は5 指であった.行った皮弁はV-Y 前進皮弁が2 指,Oblique triangular flap が22 指,Graft on flap が6 指,逆行性指動脈島状皮弁が4 指であった.主な合併症は爪変形が5 指,末節骨部分切除を追加した症例が3 指,PIP 関節伸展制限が3 指だった.Grade が上がるにつれ合併症が増える傾向にあり,損傷状態に適したflap を吟味・検討し,そのプロトコールを提示することが今後の目標である.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top