日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
橈骨遠位端骨折におけるVolar Scaphoid Facet 骨片の評価―3DCT での骨折線mapping―
森実 圭
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2025 年 41 巻 6 号 p. 691-694

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抄録

橈骨遠位端骨折において舟状骨窩掌側の小骨片(volar scaphoid facet 骨片:VSF 骨片)を伴った場合,固定性が不良であると手根骨亜脱臼をきたすことがある.3DCT を用いて骨折線マッピングを行い,その特徴を検討した.対象は平均年齢62(21~89)歳,男性17 例,女性22 例であり,骨折型はAO 分類type B3 が3 例,C3 が36 例であった.舟状骨窩掌側1/2 以下の関節面を含んだ骨片をVSF 骨片とし,これを有するものは背側転位型が1 例,掌側転位型が8 例であり,volar lunate facet(VLF)骨片とVSF 骨片の両方を有したものが4 例,VSF 骨片のみのものが5 例であった.VSF 骨片の大きさは橈骨茎状突起尖端から平均12.6mm,橈側縁から平均14.4mm で,関節面の割合は平均27%であった.VSF 骨片のみ縦径が小さい症例もあり,VLF 骨片の大きさのみを意識するのではなく,VSF 骨片の固定が可能かに留意してプレートを選択する必要がある.

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