日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
手根管症候群手術症例における短母指外転筋運動神経終末潜時と患者立脚型評価尺度の関係
山田 政彦森谷 浩治黒田 拓馬幸田 久男坪川 直人牧 裕
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2025 年 41 巻 6 号 p. 713-716

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抄録

手根管症候群(CTS)における神経障害の指標として,神経伝導速度検査における短母指外転筋の運動神経終末潜時(TL)がある.今回,CTS 手術症例のTL と患者立脚型評価尺度との関係を調査した.対象は術前にQuick DASH JSSH バージョンとTL を評価し,TL が検出可能であった1108 例である.CTS に対する術式は鏡視下手根管開放術が1009 例,直視下手根管開放術が76 例,母指対立再建術が23 例であった.Spearman の順位相関係数の検定で評価すると,TL とQuick DASH は非常に弱い相関を示し,術式別では母指対立再建術施行群でTL とQuick DASH は中程度の相関を認めた.本研究結果からCTS 手術症例におけるTL と自覚症状の関連は非常に弱い,もしくはないと思われた.母指対立再建術を施行した症例でTL とQuick DASH に正の相関を認めたが,これはCTS 患者の自覚的評価はTL が大きく延長し,母指対立障害が生じることで初めてQuick DASH に反映されることを示唆していると考える.

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