日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
橈骨遠位端骨折の受傷から手術までの待機期間が術後成績に与える影響
高木 知香坂野 裕昭勝村 哲坂井 洋仲 拓磨稲葉 裕
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2025 年 41 巻 6 号 p. 738-742

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抄録

橈骨遠位端骨折の受傷から手術までの待機期間が術後成績に与える影響を調査した.対象は掌側ロッキングプレートで手術を行った橈骨遠位端骨折149 例149 手で,待機期間10 日以内(早期群)と11 日以上(晩期群)に分けて術後成績を調査した.早期群/晩期群のulnar variance は術直後0.2/1.0mm,最終調査時0.5/1.5mm と早期群で有意に良好であった.Palmar tilt は術直後8.6/7.4 度と早期群で有意に良好であった.平均可動域は術後3 か月で背屈58.4/52.8 度,掌屈53.8/49.8 度,最終調査時で背屈68.0/63.6 度,掌屈65.4/61.5 度で,掌背屈可動域は早期群で有意に良好であった.Mayo wrist score は88.8/86.1,QuickDASH score は術後6 か月で6.8/12.9,1 年で4/8.1 と早期群で有意に良好であった.橈骨遠位端骨折では待機期間が長くなることで術中の整復が困難になると考えられ,受傷後10 日以内に手術を行うことを推奨する.

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