日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
肘部管症候群中等症McGowan 分類Grade 2 での術後回復の検討
素村 健司大村 威夫杉浦 香織松山 幸弘
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2025 年 41 巻 6 号 p. 780-782

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抄録

肘部管症候群の術後予後因子について,諸家の報告では年齢,症状持続期間,術前重症度,術前電気生理学的検査の結果などが挙げられおり,術前重症度が高いMcGowan 分類Grade 3 は術後重症度の改善に乏しいことが報告されている.Prognostic Nutritional Index(PNI)は,小野寺らが提唱した消化器癌の術後合併症に関する予測因子で,近年では婦人科や整形外科領域でも術後合併症のリスク評価として活用されている.本研究では,術前栄養状態と末梢神経障害としての肘部管症候群の術後回復の関係を検討した.McGowan 分類Grade 2 の肘部管症候群の患者において,術後1 年まで経過観察可能であった32 例32 肘を対象とし,改善群と非改善群に分けて比較検討した.原因は変形性関節症によるものが両群とも多く,性別,術前の電気生理,年齢,可動域,手術待機期間,アルブミンには両群で有意差が見られなかったが,PNI は改善群で有意に高値であった.

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