2025 年 41 巻 6 号 p. 783-785
当院で手術加療した橈骨遠位端骨折患者に対する二次性骨折予防のための骨折リエゾンサービスの介入状況を調査した.2020 年10 月~2022 年10 月に手術治療を行った50 歳以上の175 例(男20 例,女155 例,平均年齢74.8 歳)を対象とした.術後DXA 実施率は91%,骨粗鬆症治療開始率は75%(骨粗鬆症有病者で90%)であり,術後1 年時の継続率が66%(骨粗鬆症有病者で81%)と概ね良好であった.投薬内容も7 割以上がガイドラインのA 評価の薬剤であり,術後1 年以内の脆弱性骨折の発生率は2.3%であった.橈骨遠位端骨折患者は脆弱性骨折の中では比較的若年で,本人の危機感が薄く,投薬治療の継続が困難な場合が少なくない.このため,すべての医師と患者への啓発活動がより重要である.