2025 年 41 巻 6 号 p. 786-789
母指CM 関節症において,大菱形骨全切除とligament reconstruction and tendon interposition(以下LRTI)の併用は一般的な手術方法の一つであり,良好な治療成績が報告されている.一方で,術後手根不安定症の報告もある.今回,著者らは大菱形骨全切除とLRTI の併用の影響について,関節形成術を施行した21 例を対象に,手根不安定症が発生するか手根骨配列のパラメーターを単純X 線で調査したところ,radio-lunate angle,radio-scaphoid angle 共に明らかな手根骨の配列の悪化は認めなかった.Stage Ⅳでは術前より月状骨は背屈傾向であり,STT 関節症の合併がDISI 変形の一因と考えられた.