日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
神経縫合トレーニングモデルとしてのニワトリ坐骨神経の解剖学的特徴
上用 祐士武田 真輔服部 勇介川口 洋平立松 尚衛岡本 秀貴
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2025 年 41 巻 6 号 p. 838-841

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抄録

顕微鏡視下の神経縫合や血管吻合は手外科医にとって必須の手技である.このマイクロサージャリーの手技上達を目的としたトレーニングの意義と有用性が多く報告されている.トレーニングモデルとしては人工材料モデル,非生体モデル,生体モデルなどが存在する.血管吻合トレーニングは多くの報告があるが,神経縫合トレーニングの報告は少ない.著者らは市場で購入したニワトリ18 羽36 本の坐骨神経を本研究に使用した.ニワトリの体重は平均1.25±0.18kg,坐骨神経の近位側から分岐部までの長さは平均43.4±4.46mm,長径は近位部平均2.04±0.19mm,中央部平均1.91±0.13mm,遠位部平均2.10±0.26mm であった.ニワトリの坐骨神経はヒト指神経とほぼ同じ太さであり,単一の神経上膜に覆われた2~4 本の神経束を有する.神経上膜縫合や神経束縫合のトレーニングにも適しており,マイクロサージャリー手技上達のためのトレーニングモデルとして有用と考えられた.

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