2025 年 42 巻 2 号 p. 109-114
橈骨遠位端骨折(DRF)後は二次骨折予防治療介入の好機であり,年齢やビタミンD 低下などの患者背景の点から,骨粗鬆症治療は活性型ビタミンD3 製剤を中心とした治療から開始されることが多い.なかでもエルデカルシトール(ED)は優れた骨折抑制効果が認められている.今回,ED を基盤とした治療(ED 単剤またはED+骨吸収抑制剤)を行い,3 年間経過観察可能であった女性DRF 患者70 例を対象とし,大腿骨近位部骨密度,筋肉量や筋力への効果を調査した.3 年間のフォローアップ期間中に19 例(27.1%)に転倒を認め,6 例(8.5%)に二次骨折を認めた.大腿骨近位部骨密度は単剤群と骨吸収抑制剤の併用群共に3 年間で有意に上昇し,1 年後と3 年後では有意差を認めなかった.また,両群ともに筋肉量や筋力に有意な変化はなかった.ED を基盤とする治療は骨密度を改善し,筋肉量や筋力は維持されているため,二次骨折予防に有用と考える.