日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
当院における橈骨遠位端骨折に対する骨折リエゾンサービス
前 智貴蒲生 和重村瀬 剛
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2025 年 42 巻 2 号 p. 153-157

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抄録

橈骨遠位端骨折に対する骨折リエゾンサービス(以下FLS)の当院における現状と初期データを分析した.FLS 導入前の橈骨遠位端骨折220 例と導入後の232 例を調査した.骨密度検査率は,FLS 導入前6.4%が導入後94%に改善した.骨粗鬆症と診断された症例のうち,未治療であった104 例に対して91 例(87.5%)で治療が開始され,投薬内容はビスホスホネート製剤が38%,ロモソズマブ製剤が25%,ビタミンD 製剤のみが24%であった.原発性骨粗鬆症の診断基準に準じて,重症群,骨粗群,正常群の3 群に分類して比較を行った.TRACP-5b は重症群で有意に高値であったが,total-P1NP,ucOC は各群間で有意差を認めなかった.25(OH)D は全群低値で,各群間に有意差を認めなかった.既存の脆弱性骨折は重症群で有意に多かった.FLS の導入により骨密度検査率と治療開始率が大幅に向上した.初期データの結果からはビタミンD 不足を背景に,重症群では高骨代謝回転型の骨粗鬆症が関与している可能性が示唆された.

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