2025 年 42 巻 2 号 p. 158-162
母指CM 関節症に対する初回手術としてSuture-Button Suspensionplasty(以下SBS)とSuture Only Knotless Suspensionplasty(以下SOKS)を行った症例を比較検討した.対象は当院で手術加療後6 か月以上経過観察できた母指CM 関節症26 例で,大菱形骨部分切除後にSBS(12 例),SOKS(14 例)を施行した.臨床評価項目として手術時間,労作時visual analogue scale(VAS),QuickDASH,Kapandji score,ピンチ力,母指掌側外転角度,母指橈側外転角度を比較した.画像評価として単純X 線画像における大菱形骨腔長/基節骨長比(Trapezial Space Ratio:以下TSR),第2 中手骨基部橈側縁から第1 中手骨基部尺側縁までの距離(M1M2 overlap)を測定し,術後合併症の有無を調査した.2 群間において臨床評価項目では有意差を認めなかったが,最終調査時TSR はSBS 群で有意に高く,SOKS 群は術前と最終調査時の比較でTSR が有意に低下した.SBS 群は母指神経障害を1 例に認め,ボタン関連症状を3 例に認めた.SOKS 群は中手骨-大菱形骨インピンジメント1 例,母指MP 関節過伸展変形3 例であった.術後成績に有意差はなく,両群共に良好な成績であったが,合併症の違いに注意を払う必要があると考えられた.